scopic measure #13 黒川良一「rheo: 5 horizons」
- 日付/時間 :
- 2011-09-17(土)-2011-11-13(日)10:00-19:00
- 場所 :
- スタジオB /
- 料金 :
- 入場無料
サウンドと映像による「時間の彫刻」を追求するアーティスト、黒川良一
インスタレーションとパフォーマンスを通じ、その洗練した造形の思考に迫る
新進気鋭のアーティストの作品やプロジェクトを紹介する長期展示シリーズ「scopic measure(スコピック・メジャー)」の第13弾として、ベルリンを拠点に活躍する映像/音響アーティストの黒川良一による作品「rheo: 5 horizons(レオ・ファイブ・ホライズンズ)」をご紹介します。
本作は、5チャンネルのサラウンドシステムと5台の大型モニターによって、時空間における「彫刻」を創り上げるインスタレーションで、その精巧な技法と繊細な表現は、国内外で高く評価されています。(*1) 音響と映像が融解し、流れるように移り変わっていく光景は、音を見て、映像を聴くような体験をもたらします。YCAMでは、今回の展示にあわせ、関連作品の展示や、黒川良一ら多数のアーティストによるライブコンサートも開催。洗練された表現の数々から、音響表現の多様性をご紹介します。
(*1)世界最大のメディアアートの祭典「アルス・エレクトロニカ2010」にて、デジタル・ミュージック部門ゴールデン・ニカ(大賞)を受賞。第14回文化庁メディア芸術祭アート部門インスタレーション審査委員会推薦作品選出。
※「scopic measure」と同時開催するライブコンサート「sound tectonics #10」では、「rheo: 5 horizons」の原点となった黒川良一のパフォーマンス作品「Rheo」(2009)を公演。インスタレーションの展示とパフォーマンス作品の公演を同時開催するのは、国内初となります。
黒川良一 「rheo: 5 horizons」
2010|オーディオビジュアルインスタレーション|8分
「rheo: 5 horizons」は、音を見て、映像を聴くような新たな知覚をもたらすオーディオビジュアルインスタレーションです。縦置きに設置された5台のモニターは、5チャンネルのスピーカーと対になり、独立した5体の音像再生装置として機能します。デジタル生成による高解像度の映像素材とフィールドレコーディングによる音が完全同期する光景は、ミニマリズムと複雑さが共存する、洗練した空間と建築的な美しさをもたらします。 「音響と映像が一体化した彫刻」を創り出す本作は、映像と音、自然とデジタルなどの異なるものを、コンピュータによって統合し、融解させる試みといえます。タイトルの「rheo」とは、ギリシャ語の「流れ」を意味し、哲学者ヘラクレイトスの「万物は流転する(panta rhei)」という言葉からインスパイアされています。生命や自然の摂理と同様、本質的なものは常に流転し、移り変わる----。精巧に構築した純度の高い映像とサウンドを一体化した本作は、音響と映像を、時空間におけるひとつの流れとし、人間の知覚の限界に迫ります。
黒川良一「rheo: 5 horizons」(2010) ©Ryoichi Kurokawa
「rheo: 5 horizons」は、時間的、空間的な移り変わりを音と映像のダイナミズムに転換し、音と映像の運動を再認識させる空間を提示した作品です。音と統合された視覚的な刺激が音のふるまいを強調し、空間における音の方向や運動、音源の位置を指し示しています。音と映像がひとつとなって、空間の中にその動き、方向、速度、形、色、重量や質感などが同じタイムライン上に重なり合い、組み合わされた音と光の層が、8分間の循環時間の中で時間の彫刻を形成していく。音と映像の統合化は、空間的、建築的なフォルムを創り出し、それによって、あらゆる角度から観客の視覚、聴覚、触覚など様々な知覚に共感覚的アプローチを試みています。
黒川良一
主催:公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市、山口市教育委員会
協力:Cimatics
技術協力:YCAM InterLab
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]